もぬけのから

わずらわしいくらい
ぼくらには 時間があり
つかれたフリをして どこまでもあらわれる
どうでもいいことにとらえられ もてあそばれ
気が付けばもう少しの スキマもなくなってる

うしろを見たら
あたりは もぬけのから
みんな いつもの
大きなウソの中へ

いつでも会えると 思うたび 会えなくなる
何度めかの夢 眼醒めたとたん 忘れて

やさしい人たちは とびきりのお化けになる
どのくらいって分るほど 目に見えて大きくなる

あたまのなかでは いつまでも雨がふって
どれくらいって分るほど たくさんの傘がゆれる

ねぐらはあると思い込んでいたけど
どこにもないって感じては息を吐き

うらやましいくらい
彼らには迷いがない
手に入れたものなら
何でも壁に飾って

出口はあると感じてはいたけれど
もどかしいほど ぼくらはもぬけのから

ありえないくらい ぼくらには時間がない
今あるすべてを どうにも持て余して
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