猫とアレルギー

話せなくていい 会えなくてもいい
ただこの歌を聴いてほしいだけ
あなたの顔や あなたの声が
夢に出る夜はどうすればいいの

12月の空気を吸い込んで
くしゃみをひとつ
産まれたばかりの猫たちが
散り散りに去ってゆきます

いろんなことがあったけど
思い出すのはあの日々ばかり

話せなくていい 会えなくてもいい
ただこの瞬間こっちを見ていて
ほんの少しの勇気があれば
後悔せずにすんだのでしょうか

アレルギーでも
あなたは優しく撫でた

ああ、昔を懐かしんだり 嘆いたり
ありあまる残りの人生を
真面目に考えたりして
大人になったような気でいる

時間が巻き戻せたならば
なんてね、もう思い飽きてる

話せなくていい 忘れていいから
ふとした瞬間アルバム開いて
なんにも知らないあの頃のように
横顔にそっと見惚れていて

あと7日間で世界が終わるなら
なんて、
あんなどうしようもない例え話
他の誰にもしないでいて
これからもずっと

触れなくていい 忘れていいから
ただこの瞬間こっちを見ていて
あなたの顔や あなたの声を
何度でも思い出して歌うわ

届かなくていい 忘れていいから
でも
あなたの目と手の温もりが
なにもない空、滲んで消えてく

アレルギーでも
あなたは優しく撫でた
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