ブラウンシュガー

少し気の早い冬が僕らを包み込む
乾いた季節が、ほら
目の前にあるけど

テーブルに並べられた二つのマグカップ
寄り添い合うように、ねえ
温め合うように

いつか二人が歳を重ねて
互いのことを忘れたとしても

駅前の喫茶店 君が頼んだカフェオレ
何気なく流れてく時に身を任せ
話したいことは星の数ほどあるけど
ほろ苦い静けさに耳をすませる

白く立ち込める湯気が僕らを包み込む
ブラウンシュガーを、ほら
コーヒーに溶かして

ひとさじだけの甘さじゃ薄まらないほどの
悲しみをすべて、ねえ
飲み干してみせるよ

たとえ二人が生まれ変わっても
何も変わらず君とこの場所で

駅前の喫茶店 僕が頼んだブレンド
何気なく流れてく時に身を任せ
永遠って言葉 いつも白けてしまうけど
このひとときはどうか永遠に続くように

駅前の喫茶店 君が頼んだカフェオレ
冷たくなったその肌は温もり探して
懐かしい歌がふいに聞こえてきたなら
静寂を壊すように笑顔がこぼれた
×