天竜鴉

泣くな笑うな 天竜鴉
浮世双六 賽まかせ
広い世間を 斜めに生きて
野暮を承知の 男意地
縞の合羽に 縞の合羽に 散るしぶき

瞼とじれば 故郷が見える
祭囃子の 風が吹く
詫びております おふくろさんにゃ
晴れ着一枚 やれぬまま
合わす両手の 合わす両手の 影ぼうし

娑婆と冥土が 五分五分ならば
越える渕瀬に 身をまかす
明日は東か それとも北か
天竜くだりの 舟唄が
やけに身に沁む やけに身に沁む 日の暮れは
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