兎角國の蟹

世の人々は夢を忘れて行き
兎角の國では奇病が蔓延した

園の薔薇は次々と枯れ始め
紫黒色の蟹が大地を侵襲する

歪曲した甲羅は止まる事なく分裂を繰り返して行く

アリスを象った醜い集塊へと立ち向かう狂える道化師達
世界の終わりは悪夢を見る体さえ滅びに導く

その昔少女が彼を追いかけた様に
次は彼が追いかける番
傷付いて消えかけた姿で彼は最後の力を振り絞る

アリスの血を引いた少女を見つけ出して来なければ國は消えてしまう
壊れた時計が動き出してしまうんだ 永遠が砕け散る…
アリスの意志を継ぐ者にしか救うことは叶わない 彼は語りかけた
「本当の姿の僕を見つけられるのは君だと信じている」
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