雨の伝言板

待ち合わせの 改札口
私を待つ あなたがいる
今夜二人 旅立てば
あの女(ひと)不幸に してしまう
心の駅にある 伝言板に
一人書いた 「さよなら」
逢えばきっと 言えないから
黙ってここから 見送るわ

降り始めた 夜の雨が
後ろ姿 濡らしてゆく
出来るならば 今すぐに
あなたのところへ 行きたくて
心に抱きしめた 伝言板に
一人書いた 「さよなら」
にぎりしめた スーツケース
どこへも行けずに 泣いている

ほんとは消したいの 伝言板に
無理に書いた 「さよなら」
人の波に のみ込まれて
愛した月日が 消えてゆく
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