ひとりよがりの人魚

入り江の岩影 茜色の中
君は心地よさそうに 泳いだ

秘密の場所だと 君は言いながら
しなやかに身を躍らせ 消えた

夏が似合いすぎて 心もとない秋

陽灼けのあとも うすれてく 時の流れ
ひとりよがり 恋もそう 君のペース
僕の腕振りほどき 気ままに泳ぐ

こんなに恋しい なのに君はただ
夏は夏だとつれなく 言った

季節のララバイを 聴いてる黄昏に

君を見つめる 視線なら ずっと熱い
水のように つかめない 君の心
苛立ちながら恋は 海へ帰るの

君を見つめる 視線なら ずっと熱い
水のように 逃げていく 君はきっと
ひとりよがりな人魚 海へ帰るの
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