さすらい鴎

鴎 啼く夜は 枕も濡れるヨ…
ヤンサノエー

雪はひと冬 情けはひと夜
まして儚い 夢まくら
江差 荒浜 さすらい鴎
舟の向こうに 故郷が
ヤンサノエー ヤンサノエー
見えて かくれて 日が昏れる ハイ!

地酒一合 こころの寒さ
指でぬくめて 廻し飲み
風にちぎれた 追分節に
泣かぬつもりが 袖を噛む
ヤンサノエー ヤンサノエー
紅を 散らせた くずれ帯 ハイ!

遠く沖行く 船足よりも
重い江差の 雪の空
流れ水藻と さすらい鴎
せめて涙を 花結び
ヤンサノエー ヤンサノエー
月に一節 流し歌 ハイ!
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