赤いスニーカー

17時交差点を曲がる
西日に背を向けながら
あの子が言っていた言葉を
思い出しペダルが重いよ

気付けば影は伸びていく
一本道遠くその先
まどろむ赤い半月が
問いかける君の耳に

「このままでいいのか?」
ほんの少しのきっかけ僕らは離れてく

赤いスニーカー履いた君は今すぐ
何かに気付いたように走り抜ける
西日に向かって叫ぶこの気持ちを
日に焼けた河川敷あの子に届け

さららと綺麗な歌声
防波堤寝そべるあの子
その声は潮風に透けてく
このまま消えてしまいそう

夕立ちが降り出す
立ち上がったあの子が振り向いたその時

赤いスニーカー履いた君はまさに
雨に濡れたあの子の元へ着いて
あの日からずっと言えなかった言葉
「僕の世界の真ん中に立っているのは君だ」
朝焼けのような笑顔に伝えた時君は泣いてた

真っ赤な朝焼け 真っ白い制服
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