孤独な守人

雨止まぬ森を急ぐ
風の噂 すがる様に

醒めぬ夢に堕ちた君の
微笑みが永久になる
悲しみは鞴のように
焦りの火を炊きつけて

湛える霊薬の 泉は煌めく
汲みげよう さぁ咎と共に

ああ その声を
願わくば もう一度

瞬く間に泉は枯れて
怒りをその身に受ける
一掬い希望を残して

雨止まぬ森を独り
歩けど出口に逢えず
口にすれば呪いは解ける
されど君は目覚めない

現れた旅人に 決意を固めて
「彼女の元へ」と それを託した

ああ その声を その笑みを
旅人は森へ戻り
あの人の無事を告げる

ああ 僕だけは
想い出と 朽ちてゆく

安らかな笑みを浮かべ
男は森へ消える
二度と見ぬ あの人の
幸せよ永久にあれと
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