セシウムブルース

犬が死んだその日から
彼女の腹に命宿った
夢や愛や汚れた期待を
十月十日で見事に紡いでくれた

神様なんてどうせいないんだから
祈る事ほど無駄な事はない
もしもいたなら人間はチェスの駒で
殺し合わせて笑う最低のクズさ

缶ビールは旨いとか
アシッドは凄いとか
息一つするたびに
セシウム溜めて生きるだけさ

この島国が踊った日から
何万という命消えた
ビルが折れたり家事がそこらで起きたり
海が押し寄せ人を飲み込んで踊っただけのことさ

ロックバンドはもう古いとか
クラブシーンが今はただ熱いとか
息一つするたびに
セシウム溜めて生きるだけさ

ほらもっと食えよセシウムを

おっと話は少し逸れたが
こんな俺にも子が産まれた
生きたり死んだりまさに数合わせ
神様からすれば我が子もただの駒さ

だがこれだけは断っておくぞ
俺の我が子を傷つける輩は
神様、右翼、ヤクザ、ジャンキーだろうが
俺はそいつをアイスピックでプシュッと刺すよ

あの売女はエロいとか
この街は臭いとか
息一つするたびに
セシウム溜めて生きるだけさ

あのバンドがダサイとか
このブランドが渋いとか
息一つするたびに
セシウム溜めて生きるだけさ

ほらもっと食えよセシウムを
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