十九歳の時

口ぐせはいつもぼくの人生
味気ないより苦いのがすき
そういってあなたは私の耳もとで
砂糖ぬきの珈琲をねだったものね
息をはずませ私をたずねた
あの頃の 十九のあなたは甘えんぼう
十九のあなたは甘えんぼう

口ぐせはいつもぼくの人生
味気ないより苦いのがすき
そういってあなたは 私のくちびるに
コパーブラウンの口紅ぬらせたものね
鏡にむかい なれない手つきで
化粧した 十九の私は はずかしがりや
十九の私は はずかしがりや

口ぐせはいつもぼくの人生
味気ないより苦いのがすき
そういってあなたは私の目の前で
うさばらしの日本酒を あおったものね
テーブルにもたれ ほほえみながらも
うるんでた 十九の瞳はさびしがりや
十九の瞳はさびしがりや
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