恋文流し

みどりの川の 紅い橋
渡れば揺れる 藤の花
忘れるはずが 忘られなくて
私はいまも 独(ひと)りです
ひらひらひらと 散る花は
あなたに送る 恋文流し

見つめる人の 悩みまで
洗ってくれる 人でした
あなたの化身(けしん) 紫花(むらさきばな)の
花びら拾い くちづけて
ひらひらひらと 天国へ
届けと送る 恋文流し

あなたを偲ぶ 山の端(は)の
花残月(はなざんげつ)の 懐かしさ
女の春を 粗末にするな
叱ってくれた あの声を
ひらひらひらと いまいちど
返して欲しい 恋文流し
×