きみが壊れた

信じてる 信じてる 信じてる
きみが言う そのたびに
きみのからだの 深いところで
ガラスの砕ける音がする

信じてる 信じてる 信じてる
二年前 ぼくたちは
そんな淋しい言葉があると
知りもせず ただ愛していた

窓を打つ 雨のしずく
いつのまにか どしゃ降りの町
きみの目が 雨を見ている
帰りたいよと 空に話してる

いつからか いつからか
気づかずに ぼくたちは 住んでいた
さかさまの国 言葉にすれば
必ずそれは嘘に変わる

信じてる 信じてる 信じてる
つぶやいて 横を向く
その横顔に ぼくの愛した
無邪気な少女はもういない

ぼくの罪 たった一度の
そしてその日から きみが壊れた
愛と名づけた 囲いの中に
おびえた目をして きみはうずくまる

ぼくが壊した 人形のきみを
捨ててあしたは きっとここを出て行く
もう帰れない どんなに夢をみても
きみの背中が たずねている

ねえ 今でも
愛してる? 愛してる? 愛してる?
くりかえす問いかけの
答を今は ぼくも知らない
時という船の行く先も
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