春を呼ぶ花

同じように笑って 同じように泣いていたね
掛け合わせた2人の時間は 春の風がさらっていった

遠ざかる日々を背に 歩き出したのは
私でもあなたでもなく 季節だった

真っ白に咲く花のように散っていく冬の花びら
最後に手を振ったこの場所の景色を変えていく

言葉よりも呼吸で 答えよりも優しさで
巡り合った2人の心は春の陽だまりに溶けていった
焼き付いた面影をそっと包むような
降り注ぐ粉雪にまぶた閉じた

真っ白に咲く花のように散っていく冬の花びら
最初に手をつないだこの場所の景色の全てを包み込んで
真っ白い花びらが踊る 何もかもを隠してしまえ
もう何度冬を越えたとしてもあの春はもう来ない

春を待つ雪景色
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