フィルム

道のない森を抜け
水の音が鳴る方へ
木漏れ日が僕らを呼んだ

手招く木の呼吸の
間をすり抜けていく
光は希望に見えた

いつか必ず忘れるよ 消えてくよ
真四角に切り取って
僕らの証明に

君はファインダーを覗き込んで
シャッターを切り笑った
その横顔を頭の端に焼き付けたくて
ゆっくりとまばたきを
繰り返していたんだ
優しさの中に君を留める為に

結ばれた手と手
偶然か必然か
木漏れ日が繋ぎ目を照らしていた

ずっと嬉しそうに僕を撮る君の顔も
君が撮る僕の写真も全部大好きだったんだ

ファインダーを覗き込んで
シャッターを切り笑った
その横顔を頭の端に焼き付けたくて
ゆっくりとまばたきを
繰り返していたんだ
愛しさの中で君と留まるように
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