アリジゴク

私は 小さなアリのように
匂いにつられ
その優しさ その弱みを
貪ぼる

失敗作だから
哀れみを もらう前に
自分の手で 壊せるだけ 壊した

開けっ放しのこの肌
散らかった 関係
はけ口にだって なれる
便利な 部屋

買って 買われて 懲りて
また 誰かを 探して
軽くて 軽くて 泣けた
汚れたかったんだ

私は 小さなアリのように
一人きりじゃ 何もできない
群がらなきゃ 出来ない

裏切られる度 いつも
ほっとして 笑うんだ
愛情なんて 重くて
抱えきれないから

盗って 盗られて 懲りて
また 代わりを 見つけて
サイズの合わない 温もり
身にまとってた

買って 買われて 懲りて
また 誰かを 探して
軽くて 軽くて 泣けた
汚れたかったんだ

私は もうすぐ
食べられなくなるよ でもね
腐りかけが一番 美味しいんでしょ?
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