行き先は不明

考える事をやめよう
そのために存在ってものを消してしまおう
例えば宇宙の闇のように
誰の手も届かないずっとずっと奥 ダークマター
するとよくわかるんだ
それでも世界はおかまいなしだ

それよりも今俺の宇宙の半分は
窓際で騒ぐカラスに支配されそうだ
かくしてブルーマーブルはもう40年も昔
それでもちっぽけな俺の頭ん中を
やれそれと這い回る日常の
その行き先は不明

完全に時間を食い散らかしてきた
少なくとも今はもう終わりに向かっている事に違いはない
そもそも生きる事を始めた時点でそのはず
しかし感動ってものに中毒性はあるが
慣れ飽きてゆくのも確かな話だ

だれもいない公園の砂場で
穴を掘り続けていられるのも夕飯まで
その穴の向こうに何を見たいんだ
見つけたそれを誰に見せよう
地底を超え 想像を超え 時空を超えて尚
その行き先は不明

氷水をたらふく詰め込んだ枕が俺の脳に囁く
「これでよかったんだと思うよ。」
物音が遠ざかってゆく 眠れそうだ
それでも世界はおかまいなし
カラスがもう一羽迎えに来て
奴らどっか行っちまった
その行き先は

きっと全ては一枚の皿の上
言葉や思想 美学や恥じらいは 呼吸すんのと同じ価値だ
ところで時代は無数の歯車を回し続けるが
その行き先は不明
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