無人号地・357

湾岸道路走り抜けて 緑の湿原をゆく
無重力の海を渡る 無彩色の走者
夜光の島が呼ぶ
はるかにまたたく宝石の宵 点滅している赤い光が
空を染めゆく 透明に輝く夜光鳥たち
鉄の幹にくらいついて 光を吸って燃やし続ける
塔の森に住みついた 群れをなす夜光蝶

名もなき夜空間 まぎれ込んだ
無人号地で会おう

幾つもの橋を越え 空洞吹き抜け
あるはずのない 果てなき荒野
ここを抜けたら どこに行くの
深く 高く 昇ってゆく

湾岸道路走り抜けて 緑の湿原をゆく
無重力の海を渡る 無彩色の走者
夜光の島が呼ぶ

夜光の火が燃える
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