今年の夏

曲がりくねる 峠を振り返り
にじむ汗を拭く 歩み止めず
走り過ぎる 車に手を振れば
空が唄い出す

ああ 仰ぎ見れば ああ 眩しすぎる
遠い日の森は 果てしなくただ深むれる

枕にする 切り株探したら
兎走り出す 追われるように
何かにつけ 答えを求めたら
鳥が歌うだろう

ああ 仰ぎ見れば ああ 眩しすぎる
今宵の月は 果てしなくただ潤んでた

今年の夏は 途切れたままで
絵にさえ出来ぬなら
深く焼きつけた瞳
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