ゆくりなく

絡みつく夜は想い露わにする
月の灯りが虚ろう胸に刺さる
ざわめく葉の陰に
怯える理由を探して独り空を見ていた

開いた窓に立ち
ぬるい息を吐き出せば
あなたが笑う

欠け出した月に想い残したまま
窓を背にして
ゆくりなく叫ぶ

開いた窓に立ち
深い霧を呑み込めば
あなたが見える

青ざめた夜の闇が色褪せてゆく
乾き始めた空が白みだす
飛び立つ鳥の声に
応える言葉探して独り空を見上げた

開いた窓に立ち
ぬるい息を吐き出して
さめた言葉投げ捨てて
軋む胸をこの手で抑えたら
全てが終わる

欠け出した月に想い残したまま
窓を背にして
ゆくりなく叫ぶ
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