北風の港町

おいてきぼりに されちゃった
すれッちがいに なっちゃった
船を見送る 第三埠頭
アゝ 青い海には スクリューの
渦が哀しく 舞うばかり

ふくれたまンま いっちゃった
喧嘩別れに なっちゃった
好きでたまらぬ あの人なのに
アゝ 詫びるつもりで 来てみてが
船は出ちゃった 消えちゃった

さよならさえも 言えなんだ
ごめんなさいと 呼んでみた
あとはつめたい 北風ばかり
アゝ 空ッとぼけた 霧笛(きりぶえ)が
海の向こうで 泣いていた
×