北海峡

昨日あの街 こえてきた
明日も他国の さだめやら
ああ北海峡 しぶきに吹かれ
つける煙草の つける煙草のにがっぽさ

ながれ流れて こんな夜は
故郷恋しさ ついつのる
ああ北海峡 今さら誰に
あわす顔など あわす顔などないものを

ばかなやつほど 人知れず
いたい傷みを さするもの
ああ北海峡 やさぐれ鴎
啼いてくれるか 啼いてくれるか身代りに

いつになったら さすらいに
花を手向ける 春の日が
ああ北海峡 沈んで浮いて
どうせ死ぬまで どうせ死ぬまでひとりだよ
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