さよならを言わなかった

いつのまに眠ったの?
ベランダでめざめたら
すぐそばであなたが見つめてた
一年も前なのに
あの夜を覚えてる
星屑とサトウキビの影を

あんなふうに強くきっと
だれも愛せないと思う

さよならを言わなかった
見上げると街角から
想い出の渚まで
空はつづく
さよならを言わなかった
大切な人はいつか
時を越え戻るって
信じたから

背伸びした恋だから
背伸びした終り方
平気よと電話で強がった
ココロから嫌いにね
なれたならいいのにね
てのひらのサンゴの小枝たち

夏が過ぎてみんな気づく
だれのそばにいたいのかを

さよならを言わなかった
離れても愛し方が
ただ少し変わるだけ
そう思った
さよならを言わなかった
涙はネ 弱い気持ち
流してくスコールと
信じたから

羽田から帰る道で
車から見えた空の
夕暮れの美しさ
覚えている
さよならを言わなかった
大切な人はきっと
時を越え戻るって
信じたから
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