ルビーの指環

くもり硝子の向うは風の街
問わず語りの心が切ないね
枯葉ひとつの 重さもない命
貴女を失ってから
背中を丸めながら
指のリング抜き取ったね
俺に返すつもりならば
捨ててくれ

そうね 誕生石ならルビーなの
そんな言葉が頭に渦巻くよ
あれは八月 目映い陽の中で
誓った愛の幻
孤独が好きな俺さ
気にしないで行っていいよ
気が変わらぬうちに早く
消えてくれ

くもり硝子の向こうは風の街
さめた紅茶が残ったテーブルで
襟を合わせて日暮れの人波に
紛れる貴女を見てた

そして二年の月日が流れ去り
街でベージュのコートを見かけると
指にルビーのリングを探すのさ
貴女を失ってから
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