納沙布岬

霧のすき間を 消えてゆく
船の霧笛が 身に沁みる
二度とあなたに 逢う日はないと
北へ流れる 旅なのに
涙あと追う 納沙布岬

かすか聞こえる オロロンが
胸の哀しみ 深くする
はるか国後(くなしり) のぞめば泣ける
呼んで届かぬ 北の果て
別れ身を切る 納沙布岬

胸の谷間に 吹く風を
ふさぐ小さな 夢もない
海に降る霧 心に積もれ
未練ひと花 消えるまで
明日はどこやら 納沙布岬
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