青春迷子

二人乗りした 高校生か
夕焼けの向うへ ゆっくりと
落ちないようにぎゅっとして
背中に顔をうずめる

「可愛らしいな」
なんて大人びて
言える歳にオレもなった
くしゃみひとつ さむくなったな
また夏がゆく

何にも増えていないな
なぁ 君はどうしている

青春迷子 背のびをして
伝えたいこと 伝えられないまま
さよならを選んで来た道
きっときっと
これで良かったと願うだけ

工事中のビルは未完成のまま
いつも通りポツンと立っている
動けないままの自分と重ねたりして

放課後 制服 二人乗りした
君の家まで続く土手の道
17のあの夏の終わり

青春迷子 背のびをして
伝えたいこと 伝えられないまま
さよならを選んで来た道
きっときっと
これで良かったと願うだけ

二人乗りした 高校生か
ゆっくいと
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