奥志摩の宿

しぶき舞い散る 鴎がさわぐ
泣けとばかりに 潮風(かぜ)が吹く
ひとり身を引く わかれ旅
まるで真珠の 涙のような
ここは英虞湾(あごわん) 奥志摩の宿

舟が沖ゆく 想い出うねる
夢のなごりが 身を揺らす
忘れられない あの人を
呼べば霧笛(むてき)が せつなく鳴いて
波切(なきり) 浜島(はまじま) 奥志摩の宿

波が岸うつ 海女笛(あまぶえ)しみる
胸が痛がる 恋しがる
明日(あす)の当てない 迷い旅
おんな心の 未練が燃えて
夕陽哀しい 奥志摩の宿
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