琵琶湖哀歌

遠くかすむは 彦根城
波に暮れゆく 竹生島(ちくぶしま)
三井(みい)の晩鐘(ばんしょう) 音絶えて
なにすすり泣く 浜千鳥

瀬田の唐橋(からはし) 漕(こ)ぎぬけて
夕陽の湖(うみ)に 出(い)で行(ゆ)きし
雄々(おお)しい姿よ 今いずこ
ああ青春の 唄のこえ

比良(ひら)の白雪(しらゆき) 溶(と)けるとも
風まだ寒き 志賀(しが)の浦
オールそろえて さらばぞと
しぶきに消えし 若人(わこうど)よ

君は湖(うみ)の子 かねてより
覚悟は胸の 波まくら
小松ケ原の 紅椿
御霊(みたま)を守れ 湖(うみ)の上
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