離愁

朝が来るまで二人は黙って時を見ていた
低いラジオの音だけ 遠くで犬が鳴いてた
蒼い空 哀しそうに 始発電車をむかえる
友と別れるように
手を振り笑いあえたなら
愛は愛で残してゆく
夢は夢で残されてる

だけど一人になれば 涙の中で
君の姿を 追いかけるだろう
はりさけそうな 想いこらえて
冬の世界に 僕は旅立つ

ため息で髪をとかし 言葉なく暮らすよりも
君は強い人だから 別れることを望んだ
ひとつの傘で二人は 寄り添って歩いてきた
かばいきれずに互いの肩を
濡らしていたんだね
抱きあう程 君は君で
僕は僕と教えられた

だからこわれてしまえ 想い出なんて
ひびわれた絵は 元に戻らぬ
忘れてしまえ 僕のことなど
季節の風に吹かれるように
一人になれば 涙の中で
君の姿を追いかけるだろう
はりさけそうな 想いこらえて
冬の世界に 僕は旅立つ……
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