流されて

あなたをいくら 愛しても
幸せなんか 来ないと 知っている
あなたともしも はなれたら
私は 死んでしまうと 知っている
どうにもならない 恋ほど
美しく 見えて来る
私の場合を たとえれば
水なら たぶん 川の水ね
行方もしらず あともどりも 出来ず
ただ 流されてゆく

あなたと道を 歩いても
腕など 組めはしないと 知っている
それでも 街を歩けたら
私の胸は はずむと 知っている
嫌いになろうと したけれど
そんなこと 無理なこと
私の場合を たとえれば
花なら たぶん 藤の花ね
五月の空を ふりあおぎも 出来ず
ただ うつむいている

行方もしらず あともどりも 出来ず
ただ 流されてゆく
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