異国の花

津軽の雪に思い寄せたら
転ばぬ先の杖を落とした
石橋渡らず舟漕ぎ往く
霞で覆われる孤高の島

流された椿の花を思えば
行き先を追わず見送る冬の刹那

時の洪河に思い寄せても
後悔先に立たないものさ
青葉は燥ぐ童子隠して
枯葉は役目終えて眠るよ

訪れた季節の息吹知ろうと
泣き出した空のもと歩み寄り添った

数多の星に思い寄せれば
蟻の想いも天に昇るの
潮風運ぶ波のメロディー
朝日を仰ぎ囁く海よ

放たれた使命を腕に抱えて
限られた命を使い果たして行く

砂埃遮る空の貝殻
裸足のまま異国の花を思うよ
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