くちづけ

人影のない砂浜 あなたに手を引かれて歩く
たなびく旗も 花火の跡形も 急ぐ季節の忘れ物でしょう
テトラポットに座って 缶コーヒー分けあった
ふたりの間におちてく夕陽のフラッシュで
あなたの気持ち 夕焼けにすかしたい

ねえ どうしてそんなに私に優しくするの
そう なくしたくないから 何も聴けずにいるの 臆病な私
彷徨う心 つかむように 抱きしめられると
どうしても 許してしまう 目を閉じてキスしてしまう

気づけば押し寄せる波 まるで帰り急かすように
冷たい風が運んだ 銀色の羽根 頬に溶けて ほら 涙みたいでしょう

ねえ 他のどこかに大切な女性(ひと)がいたって
そう 誰より愛してる そんなウソつかなくても かまわないから
傷ついた心 いやすように 見つめられて
お願い 何も言わないで いつものキスが欲しい

ねえ どうしてそんなに私に優しくするの
そう なくしたくないから 何も聴けずにいるの 臆病な私
せつない言葉 ふさぐように唇なでて
どうしても 許してしまう 目を閉じてキスしてしまう

次の夏もこうして あなたと肩を並べて um……
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