通り雨

洗いざらしの 矢がすりの
どこにかくれた 酒場の匂い
それがほんとの おまえだね
送るつもりが ころがりこんで
さめてまぶしい 朝の部屋

風呂屋がえりの たわむれに
おれの背中に おぶさるおんな
そんな甘えも かわいいが
明日の約束 できないおれが
なぜかつらくて 気が重い

更けて路地うら 小走りに
かえる姿が 瞼にうかぶ
つけておいたよ 窓の灯は
今のうちなら おまえもきっと
通り雨だと 忘れるさ
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