メレオロン

今日は一人で泣きたいな
沢山のかなしい出来事を
消せるような魔法使いが
僕の瞼にもいるらしい
こんなに自分が嫌いなら
いっそ誰かと変われたらと
何度も何度もつぶやいて
結局は誰にもなりません
こどもの頃は
なんにでもなれると思っていた
おとなに近づいて
忘れちゃったなあ
つまづいて僕らは
歩いていたことを知った
世界が僕らを忘れても
僕らは僕らを忘れない
いつかは僕らも大人になって
世間のためとか 子どものためとか
色んな希望を背負いこんで
未来の誰かの標(みち)になる
やがて消えていく
思い出の片隅へ
いいよ それでもたった一人の
力になれるなら
泣き疲れて僕らは
笑いあえた日々を知った
時間が僕らを忘れても
僕らは僕らを忘れない

コドモの頃は
なんにでもなれると思っていた
オトナのフリをして
逃げてたのかなあ
つまづいて僕らは
歩いていたことを知った
遠回りを続けて
今の僕になれた
思い出もいつかは
風化してしまうものだけど
世界が僕らを忘れても
僕らは僕らを忘れない
誰かの心の隅っこに
ぼくはいる
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