黄昏のテラス

黄昏のテラス むらさきの風が
頬をなぜて 泣くなよと通り過ぎる
私はすえない煙草を指に
遠くなったひとの ことを想うの
ブラックが好きな あのひとを真似て
にがい珈琲気どりながら のんだけれど
想い出誘うだけ 涙があふれ
蒼(あお)ざめてる 私ひとり

黄昏のテラス 想い出の歌が
不意に流れ なつかしさこみあげるの
つば広帽子を まぶかにかぶり
ぬれた顔を かくしながらきいてる
チラチラともる 街あかり見つめ
低い声で同じ歌を 歌ったけど
今では言葉さえ 忘れてしまい
蒼ざめてる 私ひとり
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