ブランデーグラス

これでおよしよ
そんなに強くないのに
酔えば酔うほど 淋しくなってしまう
涙ぐんで そっと時計をかくした
女ごころ 痛いほどわかる
指で包んだ まるいグラスの底にも
残り少ない 夢がゆれている

よせばよかった
よせばよかったけれど
恋は知らずに 炎えてしまうものだよ
白い小指 ためらいながらからませ
未練ごころ 打ちあけたおまえ
雨はふるふる 部屋の中にも胸にも
いつか来そうな 別離を告げて

こころひとつ 傘はふたつにはなれて
逢えば夜は つかの間に過ぎる
雨はふるふる 遠く消えてく背中と
いつか来そうな 別離を濡らす
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