鉄と流木

太陽がガリガリと音を立て 錆びた鉄板を切り裂いてゆく
形振り構わず壊す情景を 焼けた石のスクリーンに映し出した

蜃気楼はそう遥か向こうの方 大木が大きく息を吸ってる
森が目覚め川が滝が暴れて 眠らない夜の夢は好き勝手さ

人類は未だ何を欲しがってさ 削られた魂を何で埋める
呼吸のような関係なら物足りないから
俺は息を止めて死んだフリだってするさ

40℃俺はボヤけた足元を追いながら
辿り着いた便所で小窓をゆっくり開け
視界よりもイメージがよっぽど残酷さ
もうよそう所詮は限りあるものばかりなのだから
この病名は幻の影と書いて幻影と言う
追ってもいいさ逃げてもいいさ だけど付きまとう墓場まで
こっそり盗んだそれを家に持ち帰ってさ
部屋に隠れそっと試してみたんだ
やっぱ最高さ思った通りの この世界じゃ悪魔にでもなれるって話
真夜中の変性部位を両手に掻き集め
生ゴミの袋を一旦開けて奥へブチ込んだ
何やら見える物全て邪魔くさくて冷蔵庫に頭突っ込んで穴を全部塞いだ

荒唐無稽の空の下 鉄と流木がぶつかって
見た事もない色をした 火花が飛んでまた生まれた
存在なんてしないくせに 力はいつもお前なんだ
心がそっと向かう方へ 自然が花を咲かすように

徘徊する夜の路地はまるで迷路
疲れきった背骨起こし月と目が合いました
そうだろうお前も思ってるんだろう
運命とか役目が俺の左手を離さない
切れかけた糸を辿りながら見たのは
出来なかった過去や言えなかった言葉
鉄の面と流木の面で 燃え上がる火のように踊った

荒唐無稽の空の下 鉄と流木がぶつかって
見た事もない色をした 火花が飛んでまた生まれた
存在なんてしないくせに 力はいつもお前なんだ
心がそっと向かう方へ 自然が花を咲かすように

徘徊する夜の路地はまるで迷路
疲れきった背骨起こし月と目が合いました
そうだろうお前も思ってるんだろう
運命とか役目が左手を離さない
×