絹の雨

「濡れるじゃないか もっとお寄りよ」
言ってあなたは わたしを抱いた
絹の雨 …
絹の雨 別れたあとも
胸にせつなく 濡れかかる
ひとり飲む酒 みれんの味がする

「二人でいつか 旅に出ようよ」
あの日あなたが 誘ってくれた
絹の雨 …
絹の雨 想いださせる
細くはかない 夜の雨
ひとり飲む酒 みれんの味がする

「泣くんじゃないよ いつか逢えるさ」
そんな言葉に 降る雨かなし
絹の雨 …
絹の雨 いつ降り止むの
咲かずじまいの 夢ひとつ
ひとり飲む酒 みれんの味がする
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