菜の花情歌

三日つづいた 西風が
夜の終わりに ふと止んで
窓を開けたら 一面に
菜の花咲いて 春でした
これなら沖から見えるでしょう
沖の舟からわかるでしょう
わたしがきれいになったのが

陸を黄色に 染めたのは
わたし迎えて ほしいから
千も万もの ハンカチを
並べたような つもりです
これなら沖から見えるでしょう
沖の舟からわかるでしょう
わたしが本気になったのが

朧月夜の 菜の花は
恋のしとねに なるでしょうか
そんな想いに 頬そめて
夢みて暮らす わたしです
これなら沖から見えるでしょう
沖の舟からわかるでしょう
わたしの涙が光るのが
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