夜歩き骨牡丹

蝶と生まれど 蛾よと 囃す調子の 悔しさよ
肉叢という名の 容れ物の 良しや悪しを 誰が定む

急いて逝き 骨となり 其の貌 見違える
盂蘭盆の 花は 夜に舞う

月に 相照らす 骨の 白さに 溺れて
辻を 徘徊る 艶の 空売りは せざる

花と生まれど 徒花と 独り言ちすら 懐かしび
皮という名の 裹み紙
剥いで 千切って じっくり 鞣せば
他人と混じって 見分けも付かぬ

芍薬は すっと立ち 黒牡丹 馨しく
百合に似た 花は 夜ぞ召す

月に 相照らす 骨の 白さに 溺れて
辻を 徘徊る 艶な 押し売りは 如何に

急いて逝き 骨となり 其の貌 見違える
盂蘭盆の 花は 夜に舞う

月に 相照らす 骨の 白さに 溺れて
辻を 徘徊る 艶の 空売りは せざる
見惚れて 骨に
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