花笠道中

これこれ石の 地蔵さん
西へ行くのは こっちかえ
だまって居ては 判らない
ぽっかり浮かんだ 白い雲
何やらさみしい 旅の空
いとし殿御(とのご)の こころの中(うち)は
雲におききと 言うのかえ

もしもし野田の 案山子(かかし)さん
西へ行くのは こっちかえ
だまって居ては 判らない
蓮華(れんげ)たんぽぽ 華盛り
何やら悲しい 旅の空
いとし殿御の こころの中は
風におききと 言うのかえ

さてさて 旅は遠いもの
田舎の道は つづくもの
そこでしばらく 立ち止まる
流れて消える 白い雲
やがて蓮華も 散るだろう
いとし殿御と 花笠道中
せめて寄り添う 道の端(はた)
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