リユニオン

おろしたてのミュールで向かうのは
あの人が待っているリストランテ
五年ぶりの再会に そわそわと急ぎ足
突然のさよならを告げられて
マスカラが落ちるまで泣き続けた
あの日の私を幼く思うほど はるか遠い出来事
最初のセリフを 考えてたのに
あなたの目を見たとたん
思わず素直に 口をついた言葉「会いたかったの」
ギンガムの青いシャツ着た彼が
差し出した右の手と握手して
埋められた長い空白 やっと笑って話せる時がきた

「今もまだちょっとだけ恨んでる」
なんて冗談めかして言えるほど
本当はとっくにあなたを許してる それだけは信じてね
エゴイスト同士 意地を張ってた頃
ゆずれなかったプライド
だけど今はもう そんな昔さえ懐かしいだけ

「大人になるのも悪くないね」と
子供のような瞳(め)をして乾杯した
二度と恋人に戻らず 新しい友だちになれそうね
シャンパンの泡がはじける
ささやかなひとときの リユニオン
ささやかなひとときの リユニオン
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