大鴉~故郷偲んで~

秋の夜々 月は一夜でまるくなる
はらはらりと 大鴉の啼く声が
花梨の三味線 一の絃

冬の夜々 しんしんと雪はおりてくる
故郷偲んで じょんから詠う頃
亡き母の手紙を 懐に
涙 津軽 北海望んで 夜は明ける

春のあけぼの 月はゆるりと欠けてゆく
きりきりりと 赤子の泣く声が
鉄刀木の音 三の絃

夏のあけぼの ゆるゆると雲は流れゆく
故郷かえりて 蝦夷富士ながめれば
亡き母の形見を 懐に
涙 津軽 北海思いて 陽は落ちる
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