十年坂

別れた頃の あなたの齢に
近づくたびに 身にしみるのよ
ひとり寝の 淋しさが
若さにまかせ わがまゝ言った
十年坂は 悔やみ坂
いまはわかるの あなたの信実

独りになって 迎えに来るぜ
信じてくれと あなたは言った
その言の 裏にある
男の辛らさ 知らずにいたの
十年坂は 偲び坂
過ぎた月日を 呼んでは泣くのよ

せめても夢で 逢えますように
枕を二つ 並べてねるの
訪れて 欲しいのよ
淋しくさせて ごめんと言って
十年坂は 九十九坂
いまのわたしを あなたにあげたい
×