乙女の夢

雪が降る夜明けの駅に
真赤なマントの少女がひとり
二枚の切符をにぎりしめ
ふるえるからだで立っていた
びゅうびゅうツルギのような風
少女をいじめて吹くけれど
愛するひととの旅立ちの
熱い想いを抱いていた 抱いていた

むらさきに地平がそまり
朝日がのぼって来そうな時に
りりしい眉した少年が
息せききらして駈けて来た
追手が来るかもしれないが
少女は少しもこわくない
愛するひととの旅立ちの
熱い想いを抱いていた 抱いていた
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