つぼみ

錆びた自転車を走らせて君を迎えに来たよ 春の昼下がり
突然驚かしてごめんな だけど誰より早く見せたいモノがある

君は少しだけ戸惑ってすぐに笑った
それが嬉しくて つられて僕も笑うんだ

長い坂 君だけ乗せて 軋むペダル思い切り踏みこむ
坂を上ったら広がる景色 どこまでも続く桜の道

だけどみせたかった桜は まだツボミのままで風に揺れていた
本当は君を元気にしたかったんだけど 肩落とした僕を君がなぐさめた

約束しよう この場所が色を付けて
一面染まる頃 もう一度二人で来るんだ

誰かの為に泣いて悩んで 子供みたいに笑っていられた
それは僕らが永遠じゃなく 限られた時間を生きてるから

君が冷たい窓から いつも見てた景色を
少しでも温めたいんだ 不器用でも手作りにしたいんだ
そんな場所をいつも探してる

長い坂道 君と帰ろう 僕らまだ知らない世界夢見て
桜が咲いたらここに戻ろう 錆びた自転車に君を乗せてさ
どこまでもほら飛べる気がしたんだ
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