極楽鳥歌

弔うべき愛を
抱えたまま死んだ
女は 天に舞い
生まれ変わる 迦陵頻伽

歌いましょう 奏でましょう
悲しみがもうこぼれ落ちぬように
仏さま どうか
美しい声をお授けください
世の恋人たちがそっと眠り入るまで

背負った 罪いくつ
数えて折る指の
鉤爪 弦の音を
響かせます 地獄の方へ

鳥になる 花になる
憎しみはもう追って来られぬように
仏さま どうか
麗しい姿お与えください
人で非ずば心など消えるでしょうか

歌いましょう 奏でましょう
喜びだけ満ちてつづくために
仏さま わたしに
美しい声をお授けください
世に終わりがくるときにも
歌えるように
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