紅色の涙

鳴り止まぬ はりついた 汗ばむ声に 胸の痛み溶かす薬を
欲望も 哀れみも 泳ぎ出すから“忘れない”と誓えばいい

むさぼる罪の中堕ちた 真昼の明星は
いつまでも いつまでも 生まれ堕ちた大地に泣いた

淡く紅色の涙 明星にじむ 羽根をもぎとった 背中の傷に口づけを

咲き誇る 残酷な 正義の花は ただ風に揺れる草になりたいと

綺麗に咲く為に いつも つぼみは摘まれ 消え行く
やがて ほら 夜明けと共に 拍手が響く

枯れ行く運命と 咲く花は嘆き 悲哀も美しと 賛えれば愛を

この胸を打つは 紅色の涙 羽根をもぎとった むき出しの傷が
枯れ行く運命に 花ビラを落とし 哀しみの声は あの空に届かない

そして落とした涙が 愛すべき君さ…
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