なみだ月

こころの寒さに 熱燗注げば
おとこ未練が 目を覚ます
あんないい娘(こ)を 何故泣かしたと
責めているよな 酒の味

惚れたと素直に 口には出せぬ
恋もあるのさ 男には
つれて逃げてと すがった顔が
酒の向こうに 見え隠れ

倖(しあわ)せやれない 男の弱さ
詫びてみたって もう遅い
はしご酒して つまずく路地に
浮かぶ今宵の なみだ月
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